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高松高等裁判所 昭和53年(行コ)1号 判決 1978年8月07日

控訴人(原告) 船城武芳

被控訴人(被告) 徳島県公安委員会

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人は、「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対して昭和四九年八月二一日付でした自動車運転免許停止処分は無効であることを確認する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする」との判決を求め、被控訴代理人は主文同旨の判決を求めた。

当事者双方の事実上の主張は次のとおり付加、訂正するほか、原判決事実摘示のとおりであるからこれを引用する。

原判決二枚目裏七行目の「歩行者」とあるのを「前方道路左端を同一方向に歩行中の」と訂正し、同行目の「注意しつつ」の次に「同人と約一・一メートルの間隔を保つて」と付加し、同三枚目表二行目の「により」とあるのを「と側溝に蓋をしていなかつた兵庫県の過失とが複合して」と訂正し、同四枚目表一〇行目の「同一である。」の次に「自動車運転免許の取消処分の取消しの訴が控訴人の敗訴となり確定しても、再審によつて右運転免許の取消処分を覆えす手段がないとは断言できないのであり、また、控訴人は本件停止処分によつて社会上、人格上の利益を傷けられただけでなく、控訴人の事業が躓き、業績不振となり、そのため従業員を解雇するに至る等、経済上の影響は計り知れないものがあるから、控訴人には本件停止処分の無効確認を求める法律上の利益があるというべきである。」と付加する。

証拠の関係は、控訴人において、甲第一ないし第四号証、第五号証の一ないし四を提出し、同第五号証の一は司法巡査浅野一好が、昭和四九年六月二七日被疑者進行方向からの見通し状況を、同号証の二は、右浅野一好が右同日被疑者車輛の運転台からサイドミラーの影写状況を、同号証の三は右浅野一好が右同日被疑者車輛の接触部位の状況を、同号証の四は、右浅野一好が右同日被害者転倒位置及び被疑者車輛のスリツプの状況を各撮影した写真であると付陳し、乙号各証の成立を認めると述べ、被控訴代理人は乙第一ないし第三号証を提出し、甲第二号証の原本の存在並びに成立及び同第五号証の一ないし四が控訴人主張のとおりの写真であることは認めるが、同第一号証、第三、第四号証の各原本の存在並びに成立は不知と述べた。

理由

当裁判所も控訴人の本件訴えは却下すべきものと判断する。その理由は次のとおり付加訂正するほか原判決理由に説示のとおりであるからこれを引用する。

原判決四枚目表末行から同裏一行目迄を「一 成立に争いのない乙第一ないし第三号証によれば、次の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。」と訂正し、同裏二行目の「1」の次に「控訴人は大型第一種、自動二輪及び普通第二種の自動車運転免許を有していたところ、被控訴人は控訴人に対して昭和四九年八月二一日に六〇日間の運転免許を停止する旨の本件停止処分をしたが、右」と、原判決五枚目表八行目の「する。」の次に「控訴人が本件後行取消処分の取消を求める訴を提起したが、昭和五一年一月二八日徳島地裁昭和五〇年(行ウ)第三号判決で請求棄却となり、第二審で控訴棄却、上告審で昭和五二年一二月一四日上告棄却の判決がなされたことは当事者間に争いがない。」と、同裏五行目の冒頭に「再び取消訴訟を提起することは勿論、」と、同裏八行目の「告は」の次に「非常の不服申立方法たる再審の訴を提起するほか」と、同裏一〇行目の「効果は」の次に「再審判決によつて覆えされない限り」とそれぞれ付加する。

よつて、本件訴えを却下した原判決は相当であつて本件控訴は理由がないからこれを棄却し、控訴費用の負担について民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 今村三郎 菅浩行 福家寛)

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